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特集 母と娘 老いた母を想う

2020.11.01

老いた母とどう向き合うか……最新号Wife393号でも、老いた母と娘の困難な関係についての報告が多数掲載されています。今回はWife編集長のブログから、母と娘の葛藤の日々を振り返るエッセイを転載します。
● 医療用ストッキング
指を骨折したのは、昨年の4月だった。仕事の予定が詰まっていたので無理して動き回っていたら、折れた方の左足が太ももまでパンパンに腫れ、何だか大変なことになった。医者嫌いの私が、さすがにあわてて自由診療の信頼できるドクターの所に駆け込んでから1年と3カ月。コロナ騒ぎで最近ご無沙汰しているが、いまだにどうもすっきりしないし、左足は医療用のストッキングが手放せない。この後、劇的に改善することはないだろうから、先日、新たなストッキングを再購入した。どう見てもおしゃれではないこのストッキングに足を通すたびに、母のことを思い出す。
母は、子宮がんの全摘手術でリンパまですっかりとってしまったための後遺症で、ずっとリンパ浮腫に悩まされていた。浮腫がひどくならないように、あらかじめいろんな用心があるのだから、自分で調べて改善していくこともできたはずなのだが、母は、何年経っても足が激しくむくむのを嘆き、悲しむだけ。あげくは「がんじゃなかったのに手術させられた、そのせいで足がこんなになった」とブツブツ恨み言や文句を言うばかり。マッサージ機とかサプリメントとか、妹はいろんなものを買って母に運んでいたけれど、妹が帰ってしまうとなにひとつ自分で続けることをしない。「お金ばっかり使って…」と私に陰口を言うのは、すでに痴呆が始まっていたからだろうか。
唯一私がネットで探した医療用のタイツだけは、履き続けていた。何もかもわからなくなってグループホームで暮らしていたときも、そのゆるんだタイツだけは履こうとしていた。母が亡くなって何年も経つのに、医療用ストッキングを着けるたびに改めて思い出してしまう。
管理人も数年前に母親を見送りましたが、母親がぶつけてくるマイナスエネルギーにはかなりヤラれておりました😓 いや、ヤラレテばかりではなく、やり返してもおりましたが😅 老いや、老いへの不安から変化していく母親と冷静に向き合い続けることは、大切な思い出を共有している間柄だからこそ困難なものですね。
それぞれの立場での母と娘のエピソード、WEBページで、Wife本誌で募集してます。書くと少し視点が変わって何か見えてくるかもしれません。書いて、語って、新しい何かを見つけましょう。
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