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コロナ騒動に向き合う ー 夫の介護 

2020.05.09

ステイホームウィークは終わっても、まだまだ続く「おうちにいましょう」。感染防止が大切なのはじゅうじゅう承知だけれども、DVとして表に出なくても、家庭に閉じ込められて苦しい思いをしている人は多いと思います。コロナ蔓延下、家庭での介護の現実をWife編集長のブログから拾いました。
家から出られない、人と会えない、感染を防ぐための自粛生活は、この先も続くというが、独り身でかつ引きこもり大好きな私ですら、先が見えない不自由さに心が折れてしまいそうになる。自宅に病人を抱えている人はどんなにつらいだろうか。
「週2回通っていたデイサービスにも行けず、24時間夫と顔をつきあわせている生活にストレスがたまって爆発しそう」ー。10年以上前に脳溢血で倒れた夫とふたりで暮らしている知人からメールをもらった。夫さんは命には支障はないものの半身不随の車椅子生活。妻の手を借りないとトイレや風呂に移動することすらできない。理解力はあるけれど、言葉が出てこないので、慣れた人でないとコミニュケーションが取りにくい。
地方都市の割と大きな家に住んでいて、コロナ騒ぎが起こるまでは、デイサービスやショートステイを利用しながら、彼女は上手に息抜きをし、自分の居場所も作っていた。それが、この事態。介護施設は2月中旬くらいから出入り禁止になっているそうだ。コロナウイルスが怖いのではない。70代後半の夫さんは、妻は自分の手足になるのが当然と思い込んでいる。思うように意思疎通ができない自分にも腹を立てていらついているに違いないが、ともにいる妻をねぎらい感謝するという発想が全くない。この世代の典型的な男。
「これまでも理不尽なことばかりで嫌な男だと思うこともたくさんあったけれど、経済的にはいい思いもさせてもらってきたし、すべてを飲み込んで付き従って来たのに、最後になってこんな仕打ちが待っていたとは・・・」「もっと早く、思い切って施設に入れれば良かった」「自宅で夫の介護をしています・・・と、優等生主婦、頑張る女を演じてきたのが大間違いだったわ」と、愚痴が続く、続く。
ひとりで抱え込むのは絶対に無理。遠慮しないで、ヘルパーさんや相談員に悩みをぶつけた方がいいのでは? 我慢強いのが美徳ではないもの、とはいうものの、「大変ね。気分転換に時々メールちょうだい」としか返信できなかった。

コロナを別にしても、社会保障費の逼迫から「介護は自宅で」の流れができつつあります。結局、感染対策も介護も、困ったら「家庭」に押し込めることしか政府は考えつかないのでしょう。この現実にどう向き合うか。いろいろな人の体験談から考えてみませんか。投稿誌「Wife」は391号(2020年5月発行)が最新刊。いろいろなホンネがあつまっています。購読希望の方はinfo@wife.co.jpまでご連絡を!Wife編集長のブログ(ほぼ毎日更新)も面白いですよ!